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カピバラの飼育環境とケア

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カピバラの飼育環境とケア

カピバラは決して飼育が難しい動物ではありませんが、ここに示すような毎日のケアが必要です。

これから書く内容は少なくともペア以上の頭数で飼うことが前提になります。
もし、一頭のみで飼育するならば飼い主は常にカピバラの仲間でいなければなりません。

カピバラは広くて清潔なよい住環境で飼育するならば健康上の問題が少ない丈夫な動物です。
健康への配慮をすることで身体的なものだけでなく心理的な幸福も得られます。

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カピバラの群の維持

カピバラは社会的な性質が強いので動物園などの広い施設で本来のカピバラの姿である群で飼育する場合は2つか3つのグループにまとめるのが最善です。

群の理想的な組み合わせはオス1頭とメス2頭そして子ども達です。
もし、オスが複数になった場合は戦いが繰り広げられる可能性があります。
飼育場所が狭すぎる場合はメスに対しても攻撃する可能性があります。

また、カピバラは自分の居場所を必要とすると同時に仲間も必要とします。

他の群のカピバラと一緒にしない

複数の群のカピバラを飼育する場合は予定外の妊娠・出産を避ける対策が必要です。

この対策として最も容易なのがオスのカピバラの去勢です。
去勢手術は生後6から9ヶ月の間に行わなければなりません。

去勢手術をする場合はカピバラの手術をした経験のある獣医師を見つけることが大切です。
もし、間違った手術が行われた場合、後肢の機能に影響を及ぼす可能性があります。

また、カピバラは薬物や化学物質に敏感ですので注意が必要です。

1頭だけで飼う場合

カピバラを1頭だけで飼育する場合は注意深く考慮する必要があります。

カピバラは孤独が大嫌いなので飼い主をパートナーとみなし常に一緒にいることを望みます。
そのため飼い主はカピバラを残してバケーションに出かけることが難しくなります。

カピバラは一人でいるのは嫌いますし、見知らぬ人に世話されることも好みません。

このことは後に他のカピバラを迎え群を作ろうとした時に事態を複雑にします。
元から居たカピバラが新しいカピバラの飼い主とのやりとりに嫉妬する可能性があります。

新しいグループメンバーの紹介

大人のカピバラは互いに密接に結びついています。
そのため新しいメンバーを紹介する場合は十分な準備が必要になります。

ゆっくりと慎重に進めなければ、カピバラ達は新参のカピバラを攻撃してしまいます。
対応方法としては一時的にフェンスを作り互いを「見てたり、匂いを嗅ぐ」ことができるようにすることです。

確立されたグループに新たなカピバラを受け入れることは非常に難しく、上記のような期間を経た後でも問題があれば再び分離する準備が必要です。

カピバラの居住場所と小屋

カピバラの居住場所は余裕を持って生活ができるように可能な限り広い場所を用意しましょう!

2、3頭のカピバラを野外で飼う場合

3.5 m x 6.0 m 以上の飼育エリアを確保します。

寝る場所として大きな犬小屋くらい(1.0 m x 1.5 m程度)の小屋が必要です。
そして熱帯地方でないならば冬にはヒーターを入れる必要があります。

柵・フェンス

カピバラが脱走しないためには、少なくとも 1.8 m の柵が必要です。
穴を掘って脱走することはありませんが足場を作って脱出する可能性があります。

また、ワイヤーで作られた柵では壊すことが出来てしまいます。
ですので強固な木製の柵を作るのが望ましいです。

これらを踏まえて創造性のある住環境を用意してあげましょう!

プール・池

カピバラの住居には

  • 日の当たる場所
  • 日陰の場所
  • 水のある場所

が必要です。

カピバラは水中に潜って隠れたい性質を持っています。
また水場は避難するためだけではなく暑い日に体を冷やす役割もあります。

可能であれば底に傾斜がある水場を用意します、深さは浅いところで 1.0 m、深いところで 2.0 mくらいにします。
これだけの深さがあれば完全に水の中に潜ることができる素晴らしい飼育環境と言えます。

多くのカピバラは水中で排便や排尿をしますので、水場を常に清潔に保つことはカピバラを飼育する上で大きなウェイトを占める事柄です。

池やプールの水に塩素や化学薬品を使用することはカピバラの健康に危険をもたらします。
カピバラは泳ぐ際に水を飲むので、それにより消化に必要な腸内細菌を殺してしまう可能性があるからです。

もし、カピバラ専用の水場を用意できるなら、藻類の成長や糞による汚れを防ぐために定期的に清掃しましょう。

温度と湿度

カピバラは亜熱帯地方の大きな温度変化に耐えられる動物です。

暖かい部屋と寝床、日陰と泳げる水場があるなら、マイナス 10度から37度くらいまでの温度にも適応できます。
また、湿度に関しても 15% から 70% の広範囲に適応可能です。

ですので飼育できるエリアはとても広く魅力的な動物です。

照明

カピバラは屋外でグループで飼育するのが最も望ましいですが、屋内で長時間いる場合は昼と夜が12時間サイクルになるように白熱灯や蛍光灯で調整してあげるとよいでしょう。

飼育設備と寝具

野外にフェンスで囲われた自然の植物と土の生活基盤の中に掃除が容易な寝床となる小屋を準備します。

カピバラは泥浴びが大好きですから、ホースで水を流せるようにすることは掃除をやりやすくするだけでなく、カピバラの満足度を高めることができます。

干し草はベッドをつくる最高の材料であり同時に食料にもなります。
ホコリやトゲのない新鮮な香りのする干し草を使用します。

小物類

カピバラは登ったり座ったりするための家具は必要ありません。
しかし物陰に隠れたい動物です。

岩石を設置して干し草を組み込み、カピバラが「隠れている感」を感じられる環境を作ります。
丸太は隠れる場所を提供するだけでなく噛んだりするための材料も提供します。

飼育環境のメンテナンス

カピバラの住環境の毎日の清掃は

  • 濡れたり固まったりした寝わら
  • 蓄積された便
  • 食べ残し

などを取り除くことです。

毎日1頭あたり4リットル近くの便に対処しなければなりませんので、その計画を立てなければなりません。

カピバラは水中に排便するので、その排水や清掃が少なくとも週に1度は必要です。
これは大量の排水に対応する必要があることを意味します。

カピバラを室内に入れる時

カピバラは体の大きなげっ歯類なので、外で飼っているカピバラを安全に室内に入れるためには事前に準備したエリア内に入れなければなりません。

うさぎと同じようにカピバラは電気コードやワイヤーを噛みます。
そして、そのコードを引っ張り接続された物を転倒させる可能性もあります。

他のペットとの同居

カピバラが十分に大きくなるまでは他の動物との同居には注意が必要です。
そうでないと犬や猫がカピバラに傷を負わせる可能性があります。

自分よりも大きな動物(カピバラ)に対する猫の興味は低いですが攻撃的な犬の場合は特に注意が必要です。
犬はカピバラを獲物と思ってしまう場合があるからです。

しかし、多くの場合、カピバラは他の動物とも仲良くなります。

カピバラの消化システムと栄養

消化システム

カピバラの消化システムはうさぎ等とよく似ており、それは草食動物の消化システムです。

胃はシンプルですが盲腸と呼ばれる腸の袋を持ち、再度摂取したペースト状の糞便から新たな糞便を作ります。
また牛のように食べたものを逆流させ、再び噛んで食べるという反芻行為も行います。

これにより、カピバラは摂取した食物から栄養素を最大限に吸収し、草をベースにしたセルロース含量の高い食材もよりよく消化することができます。

給餌

カピバラは毎日3キログラム程の植物を食べます。

野生のカピバラは穀物、かぼちゃ、メロン、サツマイモ、バナナ、とうもろこし等を食べます。
これらの自然な食物はカピバラに簡単に食べさせることが出来ます。

飼育下では1日に2回餌を与えます

主な食物は短い草です。
乾草はカピバラの主な栄養源になります。

加えて下記の食材も好んで食べます。
ケール、ほうれん草、山芋、とうもろこし、りんご、ポテト、生ピーナッツ、マスクメロン、スイカ、笹(竹の葉)

食べ物に糞やカビが混入しないように注意してください。

危険な食べ物

ツツジ、アザレア、アセビは全てカピバラにとって危険です。
これらの植物には、どのような状況でも決して近づかないようにしましょう。

主食としての乾草

良質な乾草はカピバラの健康に貢献します。

また乾草は栄養源としてだけではなく歯を磨く道具としても使います。
カピバラは乾草を噛むことで歯の伸び過ぎの防止や噛み合わせの調整を行なっています。

優れたタンパク質がミックスされた高繊維質の乾草が理想的です。
乾草のよい匂いは、その乾草がキレイで乾燥しており、カビや埃がないことを示唆してくれます。

以下の乾草の組み合わせが良いです。

  • チモシー
  • マウンテングラス
  • ブロム
  • オーチャードグラス
  • アルファルファ

この中ではアルファルファが最も豊かです。
アルファルファだけを与える場合はゆっくりと与え胃腸に負担を掛けないようにします。

クローバー乾草も同様ですが、こちらは控えめに与える必要があります。

チモシーは乾草は最も標準的な選択で経済的です。
飼育しているカピバラの頭数に応じて地元で購入するとよいでしょう。

食器

一度に複数のカピバラが食べられる大きな木製の器に全ての食料を混ぜて提供する方法が最も簡単です。

カピバラの住居エリアに幾つかの食料を隠すことでカピバラの知的レヴェルを高められます。
こうすることで自然な餌食習慣を促し、カピバラがもっと運動するように促します。

水分補給

カピバラはいつでも新鮮な水を飲む必要があります。
しかしながら、カピバラは水中に排泄をするので、複数の給水手段を用意する必要があります。

ハーネスとリード

カピバラはハーネスを装着した状態でリードを付け飼い主と一緒に歩くことができます。

とはいえカピバラ用のハーネスを見つけることは難しいでしょうから 45kg以上の大型犬用のハーネスを探しましょう。
首輪の下側に指2本分の余裕をもたせて優しくフィットするハーネスがいいでしょう。
どのような長さのリードでも大丈夫ですし、長さが自由に変えられるリードもよい選択です。

犬用のハーネスをカピバラに装着すると滑って抜け落ちやすいので、多くの飼い主はこの問題を2つのハーネスを装着することで解決しています。

あなたのカピバラに最適なハーネスを見つけるために試行錯誤する必要があるかも知れません。
その目的はカピバラが安全に飼育され、飼い主がその状況を把握していることです。

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